パーキンソン病について

パーキンソン病とは、脳の黒質という部分のドパミン神経細胞が減少し、ドパミンという神経伝達物質が減る進行性の変成疾患。
ドパミンは、身体の運動機能を調節する働きがあり、不足するとスムーズな動きができなくなる。
発症年齢は 50~65 歳に多いが、高齢になるほど発病率が増加する。40 歳以下で発症するものは若年性パーキンソン病と呼ばれる。この中には遺伝子異常が明らかにされた症例も含まれる。

パーキンソン病の症状

4大症状として(1)安静時振戦、(2)筋強剛(筋固縮)、(3)無動・寡動、(4)姿勢反射障害を特徴とする。このほか(5)同時に二つの動作をする能力の低下、(6)自由にリズムを作る能力の低下を加えると、ほとんどの運動症状を説明することができる。近年では運動症状のみならず、精神症状などの非運動症状も注目されている。

初発の症状としては、振戦が最も多く、ついで動作の鈍さが出てくるが、姿勢反射障害やすくみ足で発症するということはなく、症状には左右差があることが多い。

表情としては変化に乏しくなり(仮面様顔貌)、言葉も低くなり、自然な動作が少なくなっていきます。
歩く姿は、前傾前屈姿勢となり歩幅も狭く歩く速さは遅い。進行すると、歩行時に、「すくみ足」といわれる症状がみられ、方向転換するときや狭い場所を通過するときに障害が目立つ。
パーキンソン病においては、上記の運動症状以外にも精神症状として、意欲の低下、認知機能障害、幻視、幻覚、妄想などのような非運動症状がみられる。
睡眠障害(昼間の過眠、REM 睡眠行動異常など)、自律神経障害(便秘、頻尿、発汗異常、起立性低血圧)、嗅覚の低下、痛みやしびれ、浮腫など様々な症状を伴うことが知られるようになり、パーキンソン病は単に錐体外路疾患ではなく、パーキンソン複合病態として認識すべきとの考えが提唱されている。

パーキンソン病の治療

病勢の進行そのものを止める治療法は、現在まだない。全ての治療は対症療法として行い、症状の程度によって適切な薬物療法や手術療法を選択します。

◇薬物療法
パーキンソン病治療の基本薬は L-dopa とドパミンアゴニストという薬。初期にはどちらも有効であるが、高齢者(一つの目安として 70~75 歳以上)および認知症を合併している患者は、ドパミンアゴニストによって幻覚・妄想が誘発されやすく、運動合併症の発現は若年者ほど多くないので L-dopa で治療開始して良い。症状の出現の程度、治療効果、副作用などに応じて薬剤の選択を考慮する。

◇手術療法
手術は定位脳手術によって行われる。定位脳手術とは頭蓋骨に固定したフレームと、脳深部の目評点の位置関係を三次元化して、外から見ることのできない脳深部の目標点に正確に到達する技術である。手術療法も症状を緩和する対症療法であって、病勢の進行そのものを止める治療法ではないが、服薬とは異なり持続的に治療効果を発現させることができる。

日常生活の注意点

・できるだけ活動量を減らさず、従来通りの生活を続け、外出や趣味活動も積極的に行う
・手すりなど生活環境を整え転倒防止する
・電動歯ブラシなど電化製品や補助具を利用して自立した生活をする
・衣服は、面ファスナーやゴムなどを活用し、着脱しやすいものにする
・杖やシルバーカーなどを利用する