認知症とは

認知症とは、いろいろな原因で脳細胞が死んでしまうなどで、一度手に入れた認知機能(記憶、認識、判断、学習など)が低下することによって、自分のことや周囲のことの状況把握や判断ができなくなってきて、自立した生活をする事に支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)をいいます。

認知症の特徴として、中核症状と、周辺症状(行動・心理症状)またはBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)と言われるものがあります。

中核症状

中核症状とは、「認知症の方にみんなに現れる症状」のことです。
記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などによって、周囲で起こっていることを正しく認識できなくなる症状です。

周辺症状BPSD(行動・心理症状)

周辺症状BPSDとは、幻覚、妄想(物盗られ妄想が典型的)、抑うつ、意欲低下などの精神症状と徘徊、興奮などの行動異常のことです。


厚生労働省によれば、団塊の世代が75歳を超える2025年、全国で認知症患者が700万人を超えると言う推計値を発表しています。2012年の調査では患者数が462万人。65歳以上の高齢者のうち7人に1人という割合でした。今から10年ほどの間に、5人に1人が認知症を発症しているという事になり、私達にとってとても、人ごとではなく自分事として捉えなければなりません。

主な認知症症状や行動

認知症にはいろいろな種類があります。ここでは、主なものとして以下の4つを挙げます。

・アルツハイマー型認知症
・脳血管型認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症者の半数を占めているとされている認知症で、徐々に進行していきます。新しいことを覚えられず、最近のことを忘れてしまう「記銘力障害」(短期記憶障害)が特徴です。
体験した出来事そのものをすっぽり忘れてしまい、指摘されても思い出せません。そのことについて本人が悩み不安がっていることが周りからも伺えます。続いて見当識障害、言語障害などの認知機能障害が出てきます。
運動神経は侵されないので初期には身体はよく動きます。

脳血管性認知症

脳血管性認知症は、レビー小体型認知症に次いで、患者が多いとされている認知症で、生活習慣病予防をすることで予防のできる認知症です。同じことをしてもできる時とできない時が繰り返しある「まだら症状」「麻痺や手足の震えなど運動障害を伴う」のが特徴です。
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳血管の病気によって、脳の血管が詰まったり出血したりする血管性認知症のことで、脳細胞に酸素が行かず神経細胞が死んでしまい認知症を発症します。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで、患者が多いとされている認知症で周りの人には見えないものが本人には見えるという「幻視症状」と、手の震えや小刻み歩行など「パーキンソン病のような症状」が特徴です。
「お客さんが来てるからお茶を出して」などの生々しい発言がありますが、周囲がそれを否定して責めてしまうと、ムキになって反論したりと逆効果になり、暴れるといった行動にもつながります。また、パーキンソン病の症状の特徴から、転倒防止を考えることが大事です。

前頭葉側頭型認知症(ピック病)

前頭葉側頭型認知症は、前頭葉(高度な判断や注意を集中させる理性を司る部分)や記憶中枢のある側頭葉が侵されるため、「物事の良し悪しが判断できなくなる」のが特徴です。
人前で排便したり、スーパーなどで万引をしたり、陳列棚の食べ物をその場で食べ始めるなど、反社会的行動をすることがあります。同じ行為を際限なく繰り返すこともあります。記憶力は初期には比較的保たれます。